
植物
さまざまな気候帯を持つオーストラリアは、植物の生態も興味深い。背の低い潅木に花を咲かせるなど、独特の開花植物が多いのも特徴の1つ。なかには、地面にへばりつくように咲くリースフラワーなどもある。2万種の維管束植物(シダと種子植物類)が生息するが、そのうち1万6000種は固有植物とされる。うっそうと繁る巨木からカラフルな花まで、バラエティ豊かな植物を見ることができる。熱帯雨林
5000万年前から1000万年前まで、熱帯雨林はオーストラリア全土に広がり、独特の動植物が育まれていた。その後、気候の変化によって熱帯雨林は東部海岸から北部エリアに集約されていったとされる。乾燥した砂漠地帯が大部分を占めるオーストラリア大陸で、熱帯雨林の総面積は全体の1000分の1に過ぎないが、コアラなど有袋動物の3分の1、コウモリなど翼手動物の60%、昆虫の62%、両生類の23%、爬虫類の3分の1がこの地に生息するという。南極大陸とつながっていたコンドワナ大陸時代の植種が、今もクイーンズランド北部には残っている。
熱帯雨林は湿度が高く、うっそうとした巨木に空を覆われ、太陽の光が地上に届きにくい。植物は生き残るための工夫を進化として取り入れてきた。地上に板根を張り出している巨木、ほかの植物に寄生して生き延びる種、もともと光合成に頼らない植物など、ユニークな植物が生息している。ガイド付きのブッシュ・ウォーキングツアーなどでは、森の中を歩きながら熱帯雨林の植生を詳しく解説してくれるので、日本とは違った環境を体感してみよう。
砂漠の植物
大陸が南極から分離して北上するにつれて、湿潤は次第に乾燥化が進み、それに適した植物が台頭してきた。ユーカリやアカシアなどは乾燥した大地に適応すべく、細長い葉や山火事にも対処できる硬い実を持つようになった。内陸はさらに乾燥した砂漠帯へと変化し、赤茶けた大地がオーストラリアの大半を占めるようになる。砂漠といってもオーストラリアの場合、不毛の荒野というわけではなく、植物は生息している。西オーストラリア州では、1万2000種もの野生の花(ワイルドフラワー)が咲き、そのうち75%は固有種といわれる。花の季節
オーストラリアの固有種のなかには、花も多く含まれている。1年中温暖とはいえ、シドニー周辺などは四季の変化が見られ、近郊のルーラでは毎年フラワー・フェスティバルも開かれる。西オーストラリア州も毎年7~11月は、ワイルドフラワーのシーズン。広大な大地にいっせいに花が咲き誇り、ワイルドフラワー・ツアーも盛んに行われている。国花と州花
国花
オーストラリア国花: アカシア・ピクナンタ (英語名:ゴールデン・ワトル)
州花
首都特別地域: ロイヤル・ブルーベル (英語名:オーストラリアン・ブルーベル)
クイーンズランド州: デンドロビューム・ビキブム (英語名:クックタウン・オーキッド)
ニュー・サウス・ウェールズ州: テロペア・スペシオシンマ (英語名:ワラタ)
ビクトリア州: エバクリス・インプレッサ (英語名:ピンク・ヒース)
タスマニア州: ユーカリプタス・グロブルス (英語名:タスマニアン・ブルーガム)
南オーストラリア州: クリアンサス・フォルモーサス (英語名:スターツ・デザート・ピー)
西オーストラリア州: アニゴザンザス・マングレシー (英語名:カンガルー・ポー)
ノーザン・テリトリー準州: ゴシビューム・スターティアナム (英語名:スターツ・デザート・ローズ)






